輪郭注射と脂肪分解注射は同じものではありません。再び大きくなる縮小型と細胞をなくす破壊型の違い、ステロイドの時代からデオキシコール酸の時代まで。
📚 脂肪溶解注射を徹底解剖 · シリーズ目次
1. 脂肪溶解注射とは
1.1 原理・輪郭注射との違い (現在の記事)
2. 成分・製品
2.1 DCA ブイオレット
3. 副作用・安全性
3.1 一時的な神経損傷
3.2 よくある反応・安全性
4. 選択
4.1 製品選択ガイド
「脂肪溶解注射を一本打てば二重顎が溶ける」という言葉を、一度は耳にしたことがあるかと思います。しかし、同じ「溶かす」という言葉の中に、実は全く異なる2つの仕組みが混ざっています。
一つは脂肪を実際に除去するもの、もう一つは一時的にサイズだけを縮小させるものです。この違いを知らないと、「せっかく施術を受けたのに、どうして元に戻ってしまうんだろう?」とがっかりしてしまいがちです。
一行回答:「溶かす」には、脂肪細胞を破壊するものと、サイズだけを縮小させるものの2種類があります。本当に除去できるのは、デオキシコール酸・コール酸・ダブルスリムなどの破壊型です。
「溶かす」には2つの種類があります
脂肪溶解注射といっても、すべて同じではありません。作用する仕組みによって、大きく2つに分けられます。
区分 | 破壊型 | 縮小型(輪郭注射) |
|---|---|---|
作用 | 脂肪細胞を除去する | 脂肪細胞のサイズだけを縮小させる |
持続性 | 死滅した細胞は戻らない | 時間が経つと再び大きくなることがある |
代表例 | デオキシコール酸・コール酸・ダブルスリム | 一般的な輪郭注射 |
ポイントは、細胞を消し去るのか、一時的にしぼませるのかにあります。破壊型は細胞膜を壊して脂肪細胞そのものを死滅させるため、一度サイズが小さくなった部位が元に戻ることはほぼありません。一方で縮小型は細胞自体が生きているため、再び膨らむ余地が残ってしまいます。
そのため、「脂肪溶解注射を打ったのに元に戻ってしまった」という口コミの多くは、実は破壊型ではなく縮小型を受けていたケースがほとんどです。同じような名前で呼ばれていても、結果は異なるのです。

以前はステロイドで萎縮させていました
現在のように脂肪をしっかりと除去できる注射が普及していなかった時代もありました。当時は、トリアムシノロン*といったステロイドの性質を利用することもありました。
* トリアムシノロン(Triamcinolone):ステロイドの一種です。注射した部位の脂肪を萎縮させる作用があるため、過去にはボリュームを減らす目的で使われることもありました。
ステロイドには注射した場所の脂肪を萎縮させる作用があります。これを取り入れて活用していたのです。しかし、萎縮が凸凹に生じたり、予測が難しかったり、最悪の場合は皮膚が陥没してしまったりするという限界がありました。ボリュームは減っても、滑らかに減らなければ、かえって気になってしまいます。
その間に広く普及した従来の輪郭注射も、元に戻ってしまうという限界から、一時期は「脂肪注射は効果が曖昧だ」という認識が強まっていました。

本当に脂肪をなくす時代へ
流れが変わったターニングポイントは、およそ数年前、デオキシコール酸成分の注射(ブイオレットなど)が定着し始めた頃です。この頃から、脂肪細胞を一時的に縮小させるのではなく、実際に破壊する方法が本格化していきました。
デオキシコール酸*は、もともと私たちの体が脂肪を消化するときに使う胆汁酸の一種です。脂肪細胞膜を直接破壊し、細胞を死滅させます。
* デоキシコール酸(DCA):胆汁酸の一種で、脂肪を乳化して分解します。脂肪改善を目的として韓国食品医薬品安全処(MFDS)の認可を受けた代表的な成分です。
その後は、腫れや刺激を抑える方向へとさらに進化しました。コール酸成分(ニュービジュ)や、抗炎症成分にカニューレ(注入用極細管)を組み合わせたオリジナル処方のダブルスリムといった具合です。現在「本当に脂肪を除去する」タイプとしては、デオキシコール酸・コール酸・ダブルスリムなどの施術が主流です。それぞれの違いについては、次の記事で詳しくご紹介いたします。
こうした成分や、医療機器・医薬品の承認情報を確認することは、効果だけでなく安全性を判断する上でも非常に大切な部分です。

どの部位に打つと効果的?
破壊型の脂肪溶解注射が力を発揮する部位は決まっています。
局所的にしっかりと蓄積した脂肪 — 二重顎や頬の下など、つまむことができる部分。
1回では終わらず、通常は2〜4週間間隔で複数回に分けて施術を行います。効果は4週間前後かけて徐々に現れます。
反対に、広範囲にたるみがある顔には、脂肪溶解注射は適していません。たるんだ部分の脂肪を溶かすと、さらにコケて見えることがあるため、この場合は脂肪を引き上げるリフティング系の施術を検討する必要があります。
結局のところ、最初のアプローチは同じです。まずご自身のお悩みが「蓄積した脂肪」なのかどうかを見極め、そうであればどの成分を選ぶかという順番で進めていきます。ただ「溶かしてください」ではなく、何をどうやって溶かすのかを理解することが美しさへの第一歩です。

よくあるご質問
Q. 脂肪溶解注射を打てば、太ることはありませんか?
破壊型によって死滅した脂肪細胞が元に戻ることはありません。ただし、体重が大幅に増えると残っている脂肪細胞が大きくなることがあるため、施術後の生活習慣ケアがキープに役立ちます。
Q. 輪郭注射と脂肪溶解注射は同じものですか?
異なります。輪郭注射は脂肪細胞のサイズを小さくするタイプなので再び大きくなる可能性があり、破壊型脂肪溶解注射は細胞そのものを除去します。施術前にどちらのタイプかを確認されることをおすすめします。
Q. 1回受けるだけでも効果はありますか?
通常は2〜4週間間隔で複数回受けていただきます。脂肪細胞が死滅し、代謝によって排出されるまでに時間がかかるため、段階的に変化を感じていく施術です。
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