ヒアルロニダーゼの応急処置は時間が勝負。0〜4時間以内なら80%回復しますが、24時間を超えると半分以下になります。施術を受けた医院へ直ちに連絡することが極めて重要です。
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Author
Wi Young-jin · Chief director
Seoul National University College of Medicine · Seoul National University Hospital Specialist
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📚 鼻フィラー(鼻注入)副作用の真実 · シリーズ目次
1. 危険信号を知る
1.1 危険信号セルフチェック
2. 血管の救急(緊急事態)
2.1 血管閉塞・壊死
2.2 ヒアルラーゼ緊急対処 (現在の記事)
3. 安全な施術の決定
3.1 容量・部位のセーフガード
3.2 医師・製品・技術
鼻フィラーの副作用において、「回復したか、それとも傷跡が残ってしまったか」を分けるほぼ唯一の変数は、ヒアルロニダーゼ(ヒアルラーゼ)をいかに早く注入するかです。4〜6時間以内に注入すれば、ほとんどは元通りに回復します。24時間を超えると、回復は一気に難しくなります。使用する薬はどこでも同じですが、この「ゴールデンタイム」を知り、施術を受けたクリニックに直ちに連絡をとることこそが、本当の解決策です。
【一行まとめ】血管閉塞の疑わしい兆候(青黒い変色、ドクドクする痛み、皮膚の蒼白、水疱)が見られたら、施術を受けたクリニックに直ちに連絡してください。4〜6時間以内に高用量のヒアルラーゼ注入+マッサージ+温熱パックを行うことで、80%以上が回復します。24時間を過ぎると回復率は半分以下に落ちてしまいます。
ヒアルラーゼとはどのような薬か
ヒアルロニダーゼ*は、ヒアルロン酸(HA)を分解する酵素です。HAフィラーはすべて、この酵素で溶かすことができます。韓国では「リアーゼ」や「ハイルカ」といった商品名で食品医薬品安全処(MFDS)に登録されており、臨床現場では一般的に「ヒアルラーゼ」と呼ばれています。
緊急対処におけるヒアルラーゼの役割は非常にシンプルです。血管を塞いでいるフィラーを溶かし、血流を再開させること。ただそれだけです。そのため、時間が最も重要な変数となります。早く溶かすほど、その動脈が栄養を送っていた領域が生き残る可能性が高くなります。
* ヒアルロニダーゼ(Hyaluronidase): ヒアルロン酸を分解する酵素。韓国の臨床現場では一般に「ヒアルラーゼ」と呼ばれます。緊急時には150〜1500 UIの高用量を閉塞部位に広範囲に注入してフィラーを溶かします。形を修正する用途には30〜75 UIの低用量が用いられます。

4時間の黄金期(ゴールデンタイム) — なぜこの時間が重要なのか
組織が酸素なしで耐えられる時間は限られています。皮膚・真皮は約4〜6時間、神経はさらに短く、網膜は90分以内に結果が決まります。時間の経過に伴う推移は以下の通りです。
時間 | 回復の可能性 | 処置 |
|---|---|---|
0〜4時間 | 80%以上 | 高用量ヒアルラーゼ + マッサージ + 温熱パック |
4〜24時間 | 30〜50% | 同上の処置 + 微細血管レーザー補助 |
24〜48時間 | 20%以下 | 処置は行うものの、一部の傷跡が残る可能性あり |
48時間以上 | 10%以下 | 壊死が固定化、再建の段階へ |
血管の緊急処置はスピードが命である理由はここにあります。迷っている時間が回復の可能性を削ってしまいます。

緊急時の流れ — クリニックでは何をするのか
お電話 → クリニックへの移動 → 処置まで、1時間以内に完了することが標準的なフローです。
高用量ヒアルロニダーゼ注入 — 閉塞部位とその周辺に広範囲にわたって行います(150〜1500 IU)。
手技マッサージ — 溶けたフィラーを分散させ、血流の回復を促します。
温熱パック — 血管を拡張させて血流をアップさせます。マッサージと併せて行います。
アスピンなどの抗血栓薬 — 血栓が形成されるのを防ぎます(医師の判断による)。
微細血液循環レーザー(Vbeam、IPLなど) — 補助治療として行い、回復期間を短縮させます。
処置後、2〜3日間は経過を追跡・観察します。皮膚の色が元に戻り、痛みが治まれば、順調な回復ルートです。黒い変色がそのままの場合は、追加の処置を行います。

眉間の閉塞 — 90分以内の視界チェックが核心
眉間のフィラー施術において滑車上動脈が閉塞すると、眼動脈へと逆流して網膜動脈*まで塞がってしまうことがあります。網膜は90分以内に処置を行わないと、永久的な視力障害が生じる恐れがあります。これは、他の部位の副作用とは次元の異なる超緊急事態です。
* 網膜動脈(Retinal artery): 網膜に血液を供給する動脈。眼動脈の枝として分岐しています。網膜が酸素なしで耐えられる時間は約90分と短いため、閉塞が起きた場合は他の組織よりもはるかに迅速な処置が求められます。
【注意】眉間や鼻の施術後、もし視界がかすんだり黒い斑点が見えたりした場合は、ただちに緊急搬送の手配(救急車など)を行ってください。クリニックに向かうよりも、救急救命センターを受診した方が早いケースです。眼科での緊急診療が必要となります。
幸いなことに、眉間の閉塞自体は非常に稀なケースであり、カニューレ(マイクロカニューレ)を使用し、骨膜上の深い層へ注入するなどの安全技術によって、ほぼ防ぐことができます。ただし、「万が一兆候が現れた場合のタイムリミットは極めて短い」ということだけは頭に留めておいてください。

当院独自の緊急対応フロー
【安全を最優先に】施術の前には、あらかじめ「緊急連絡用ダイヤル」をご案内しております。施術後、どのような兆候であれ「少しおかしいな」と感じられましたら、夜間や週末を問わずいつでもお電話ください。30分以内にご来院いただければ、ほぼすべてのケースで無事に回復させることが可能です。ヒアルラーゼは常時在庫を確保しており、直ちへの注入に対応しております。
「いざという時に緊急対処ができるクリニック」で施術を受けることこそが、副作用から無事に回復するための大きな鍵となります。施術を受ける前に「このクリニックは緊急時の対応が可能な体制か」という点を一口確認しておくだけでも、安全面は大きく変わってきます。シリーズの第5弾にて、クリニック選びのチェックリストを詳しくご紹介いたします。
よくある質問(FAQ)
Q. ヒアルラーゼを打つと、注入したフィラーは完全に消えてしまいますか?
はい、閉塞部位にあるフィラーはすべて溶けてしまいます。回復した後に、もう一度形を整えるリタッチ施術を希望される場合は、最低でも2〜4週間以上あけてから受けていただけます。幸いなことに、一度閉塞が生じたからといって、次回の施術でリスクが高くなるわけではありません。ただし、同じ医師や同じ手法で再度施術を行うことについては、慎重に検討されることをお勧めいたします。
Q. ヒアルラーゼの副作用はありますか?
極めて稀にアレルギー反応が生じることがあります(特に羊や牛の精巣由来の製品の場合)。注入前に医師が皮膚テストを行う場合もありますが、緊急時にはアレルギーのリスクよりも閉塞からの回復が最優先されるため、直ちに注入を優先します。
Q. 他のクリニックで受けたフィラーでも、こちらのクリニックで緊急処置を行ってもらえますか?
はい、ヒアルラーゼはどちらで受けられたHAフィラーであっても溶かすことができます。ただ、「どの製品を、どれくらいの量、どの部位に注入したか」という情報があると、より正確なアプローチが可能になります。可能であれば、施術を受けたクリニックのカルテ情報や、施術前後の写真をお持ちいただければ幸いです。









