季節の変わり目の肌のつっぱりは、水分よりも皮脂バリアが薄れているサインです。本記事では、夏用保湿剤を切り替えるべきタイミングとその見分け方をまとめました。
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Wi Young-jin · Chief director
Seoul National University College of Medicine · Seoul National University Hospital Specialist
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「夏はさっぱりしたローションで十分だったのに、秋になったら急に肌がつっぱるようになった」という経験はありませんか?季節の変わり目に肌の調子が変わったと感じる方は少なくありません。しかし、そのつっぱりの原因が「水分不足」なのか「皮脂バリアの低下」なのかによって、対処法はまったく異なります。本記事では、肌のつっぱりを原因から整理し、夏用保湿剤をそのまま使い続けていいかどうかの判断基準を詳しく解説します。
季節の変わり目に肌がつっぱる仕組み
ここでは、季節の変わり目に肌がつっぱる原因のメカニズムについて解説します。
肌の保湿機能は、大きく3つの要素で成り立っています。水分を引き寄せる「ヒューメクタント(保湿因子)」、水分をとどめる「エモリエント(油性成分)」、そして水分の蒸発を防ぐ「オクルーシブ(被膜形成成分)」です。この3つが連携することで、肌は外気の変化に対応できます。
夏場は気温と湿度が高いため、薄い皮脂膜でも水分は肌に留まりやすい状態です。しかし秋になると気温と湿度が下がり始め、皮脂の分泌量も減少します。この変化によってバリア機能が低下し、水分が外に逃げやすくなります。PMC研究(PMC6139190)でも、皮脂バリアの菲薄化が経皮水分蒸散量(TEWL)の増加に直結することが確認されています。
つまり、季節の変わり目の肌のつっぱりは、多くの場合「水分そのものが足りない」ではなく「水分を肌にとどめておく油脂のフタが薄くなっている」状態です。この違いを理解することが、ケアの見直しの出発点になります。

水分不足と皮脂バリア不足、どちらが原因か見分ける方法
以下では、肌のつっぱりが水分側の問題か、皮脂バリア側の問題かを見分けるためのポイントについて解説します。
水分不足が主な場合のサイン
水分が足りていない肌は、洗顔後や入浴後しばらくしてからつっぱる傾向があります。また、肌の表面はしっとりしているように見えるのに、なんとなくハリがない、というケースも水分不足のサインとされています。保湿剤を塗った直後は改善を感じるものの、すぐに戻ってしまう場合は、ヒューメクタント(ヒアルロン酸やグリセリンなど)が不足している可能性があります。
皮脂バリアが薄れている場合のサイン
皮脂バリアの低下が主な場合は、洗顔後すぐにつっぱりを感じたり、クリームを塗っても数時間後に再びつっぱりが出たりすることがあります。個人差はありますが、こうしたケースでは水分を補うだけでは改善しにくく、エモリエントやオクルーシブ成分を含む、やや油分の多い保湿剤に切り替えることが有効な場合があります。PMC4885180の研究でも、セラミドや脂肪酸などのリピッド成分が皮膚バリア修復に寄与することが報告されています。
両方が重なっているケース
実際には、水分不足と皮脂バリア低下が同時に起きていることも多いです。どちらかひとつに絞れないと感じる場合は、まず皮脂バリアを補う保湿剤に切り替えてみることをおすすめします。バリアが整ってくると、水分の保持力自体が回復する場合があります。

夏用保湿剤の特徴と秋以降に起きやすい問題
ここでは、夏用保湿剤の成分構成と、気温が下がったときに生じやすい問題点について解説します。
夏向けの保湿剤は一般的に、水分を引き寄せる成分(ヒューメクタント)の配合が多く、テクスチャーも軽い仕上がりのものが主流です。さっぱりした使い心地は夏場には快適ですが、湿度が下がる季節には「引き寄せた水分をとどめる力」が追いつかなくなる場合があります。
皮膚科学的には、乾燥環境では外から水分を引き込むヒューメクタントが逆に皮膚内部の水分を外に引き出してしまう可能性もあることが研究で指摘されています(PMC9168018参照)。つまり、夏の保湿剤を低湿度の季節にそのまま使い続けると、ケアをしているのに乾燥が進んでいるという逆効果になりうる場合があるのです。
一方で、同じ夏用保湿剤でも成分構成によっては秋以降も問題なく使えるものもあります。成分表でエモリエント(スクワラン・ホホバオイル・シアバターなど)やオクルーシブ(ペトロラタム・ジメチコンなど)が含まれているかどうかを確認するのがひとつの目安になります。

季節の変わり目の注意点とケアの見直し方
以下では、秋に向けた保湿ケアを見直す際の具体的な注意点を解説します。
一気に保湿剤を変えすぎない
気温が下がったからといって、一気にすべてのスキンケア製品を秋冬仕様に切り替えると、肌がついていけない場合があります。まずは保湿の最後のステップ(クリームや乳液)だけを油分の多いものに変え、肌の反応を見ながら段階的に調整するのが基本的な考え方です。
洗顔の洗浄力も見直してみましょう
秋以降は保湿剤を変えるだけでなく、洗顔料の洗浄力も一緒に見直すことが大切です。夏場に使っていた洗浄力の強いクレンザーや泡立ちの良い洗顔料は、秋以降も使い続けると必要な皮脂まで落としてしまう場合があります。DermNet NZの皮膚科学情報(dermnetnz.org/topics/dry-skin)でも、過剰な洗浄が皮膚バリア機能を低下させる要因として挙げられています。マイルドな洗顔料への切り替えも、バリア機能の維持に有効な場合があります。
紫外線ケアは秋も継続してください
気温が下がると紫外線を意識しにくくなりますが、紫外線によるバリア機能へのダメージは秋以降も続きます。日焼け止めは引き続き使用してください。特に乾燥しやすい季節は、紫外線ダメージが重なると肌のつっぱりが悪化しやすい状態になります。
まとめ
季節の変わり目に肌がつっぱるのは、多くの場合、水分そのものが足りないのではなく、水分を肌にとどめる皮脂バリアが薄くなっているためです。夏用の軽い保湿剤は、湿度が下がる季節には水分をとどめる力が不十分な場合があり、ケアを続けているのに乾燥が改善しないという状況につながりうる可能性があります。
ただし、肌の状態には個人差があり、同じ製品でも使い方や組み合わせで結果が変わることがあります。保湿剤を変えても改善が見られない場合や、赤みや敏感さが気になる場合は、自己判断で続けずに医師に相談することをおすすめします。
ソウル・合井のBeautystoneクリニックでは、LINEでのご相談を承っています。「季節の変わり目になると肌がつっぱる、何を変えればいいかわからない」という方は、お気軽にご相談ください。
よくある質問
Q. 夏用保湿剤を秋にそのまま使い続けると何が起きますか?
A. 夏向けの保湿剤は水分を引き寄せる成分が多く、油分が少ない傾向があります。湿度が低い秋以降にそのまま使うと、水分を引き寄せても肌にとどめておく力が追いつかず、乾燥が改善しにくくなる場合があります。つっぱりや肌荒れが続く場合は、エモリエントやオクルーシブ成分を含む保湿剤への切り替えを検討してみてください。
Q. 肌のつっぱりが水分不足なのか皮脂バリアの問題なのか、どう判断すればいいですか?
A. 洗顔後すぐにつっぱる場合や、クリームを塗っても数時間後に再びつっぱりが出る場合は、皮脂バリアが薄れているサインである可能性があります。一方、保湿剤を塗った直後はよくなるがすぐ元に戻るという場合は、水分を保持する力の不足が関係していることがあります。判断が難しい場合は、皮膚科でスキンケアの見直しを相談するのが確実です。
Q. 季節の変わり目にはどんな保湿成分を選べばいいですか?
A. 秋以降は、ヒアルロン酸などの保湿因子(ヒューメクタント)に加えて、スクワランやシアバターなどのエモリエント成分、またはジメチコンやペトロラタムなどのオクルーシブ成分が含まれた保湿剤がより適している場合があります。セラミドを含む製品は皮膚バリアの修復をサポートすることが研究で報告されており、乾燥が気になる季節の選択肢として参考になります。
Q. 保湿剤を切り替えるタイミングの目安はありますか?
A. 気温・湿度が下がり始めるタイミング(日本では9月後半〜10月ごろが目安)に合わせて、まずクリームや乳液などの最後のステップから油分の多いものに変えてみることをおすすめします。一気に全部変えると肌が対応しにくい場合もあるため、1〜2週間かけて段階的に切り替えるのが基本的な考え方です。肌の状態に合わせて柔軟に調整してください。









