フィラーの硬度(G')とは何か、そしてなぜ部位によって異なる性質のものが使われるのか、5つのブランドのラインナップを硬度マトリックスで分かりやすく整理しました。
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Wi Young-jin · Chief director
Seoul National University College of Medicine · Seoul National University Hospital Specialist
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先に結論です。ジュビダームとベロテロ、レスチレンとアティエールの差は「どのブランドが優れているか」ではなく、ラインごとの硬さと、その硬さが想定している注入の深さです。どのブランドにも柔らかいラインと硬いラインの両方があるので、ブランド名より先に部位に必要な硬さを決め、その段に該当ラインを持つブランドから選ぶ、という順番のほうが迷いません。
小じわ・唇なら柔らかい段、ほうれい線・頬なら中間の段、顎先・鼻先なら硬い段です。段が決まったら、下の強度マトリックスで該当ラインを見比べてください。段によっては該当ラインを持たないブランドもあり(表の「—」)、その部位では候補になりません。
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柔らかい質感(小じわ・唇) — 2.1 小じわ・唇
中間の質感(ほうれい線・頬) — 3.1 ほうれい線・頬
硬い質感&応用 — 4.1 顎先・鼻・輪郭 · 4.2 ボディ — フィラー vs ブースター · 4.3 部位・質感・ご予算別の選択
フィラー(ヒアルロン酸注入)のカウンセリングを受けると、「ジュビダームは自然に仕上がります」「レスチレンは硬さがあります」「ベロテロは柔らかいです」といった説明を耳にすることが多いかと思います。同じヒアルロン酸フィラーなのに、なぜ質感が違うのか疑問に思われるかもしれません。その鍵は「強度」にあります。同じヒアルロン酸であっても、架橋の程度によって硬さが異なり、その強度がどの部位に適しているかを決定します。
このシリーズでは、クリニックで使用される代表的な5つのブランド — ジュビダーム、レスチレン、ベロテロ、アティエール、ニューラミス — を、強度の4段階に分けて整理してご紹介します。どの部位にどのブランドが自然になじむのか、一目でご確認いただけます。
フィラーの強度とは何ですか
フィラーの硬さは、一般的に G'* という数値で表されます。これは圧力に対してどれだけ耐えられるか、つまり、押したり動かしたりしたときに形状をどれだけ維持できるかという指標です。架橋が多くかかっているとG'が高くなり、少ないと低くなります。
* G'(ジープライム、貯蔵弾性率):フィラーの弾性を示すレオロジー(粘弾性)の数値です。高いほど硬く形状を維持するため輪郭形成に適しており、低いほど柔らかく広がりやすいため、小じわや唇の注入に適しています。
同じメーカーであっても、唇用、ほうれい線用、顎先用がそれぞれ分かれているのは、このG'を異なる設計にしているためです。そのため、「ジュビダーム」という名前だけで判断するのではなく、「ジュビダームのどの製品ラインか」が重要になります。
ただし、この数値からわかるのは「押されたときに形をどれだけ保てるか」までです。なじみ方や広がり方、持ちの良し悪しまでは硬さだけでは決まらないため、同じ段のラインで迷ったときは、硬さの比較だけでは答えが出ません。

柔らかい質感と硬い質感、どのように使い分けるのですか
柔らかい質感のフィラーは、皮膚の浅い層(表層)に使用します。HA*(ヒアルロン酸)フィラーが真皮の近くに薄く広がることで、小じわを埋めたり、唇の形を自然に整えたりします。硬い質感のフィラーを唇に注入すると、ラインが不自然になったり、異物感が残ったりすることがあります。唇や目元の小じわには、柔らかい質感のものが最適です。
* HA(ヒアルロン酸):私たちの肌にもともと存在する多糖類成分です。水分を抱え込む力に優れているため、フィラーとして注入することで、保湿効果とボリュームアップ効果を同時に得ることができます。
硬い質感のフィラーは、深い層に使用します。顎先、鼻先、頬の前面のように、形をしっかりと整えたい部位には、皮下や骨膜に近い部分に硬いフィラーを注入して土台を作ります。ここに柔らかいフィラーを注入してしまうと、注入量を増やしても輪郭を支える力が弱いため、形が崩れやすくなります。韓国やアジア人の臨床においては、硬いフィラーで輪郭を整える施術がよく選ばれます。これは、顔の余白を視覚的に減らすアプローチが基本となることが多いためです。
ご予算を抑えたい場合も、深い層に柔らかいラインを使う選び方は不利になりがちです。支える力が足りないぶん必要量が増え、思ったほど負担が軽くならないことがあります。

注入する深さも重要です
強度と注入する深さはセットで考えます。硬いフィラーを浅い層に入れると、しこりや異物感の原因となり、柔らかいフィラーを深い層に入れると、十分な効果を出すために多くの量が必要になってしまいます。おおむね以下のように組み合わせて使用します。
表層真皮 → 柔らかい質感(ソフト、ボルベラ、ライトなど)
中間真皮 → 中間の質感(ボリフト、バランス、ディファインなど)
皮下・骨膜 → 硬い質感(ボラックス、リフト、アティエール ボリュームなど)
同じお客様であっても、施術する部位ごとに異なる強度のフィラーを使用するのはこのためです。また、同じ部位であっても、施術を受けるお客様の皮膚の厚さや肌質によっても使い分けられます。

5大ブランド強度マトリックス
強度 | 適応部位 | ジュビダーム | レスチレン | ベロテロ | アティエール | ニューラミス |
|---|---|---|---|---|---|---|
柔らかめ | 小じわ・唇・目元 | ボルベラ | キース / リファイン | ソフト | クラシック | ライト |
やや柔らかめ | ほうれい線・頬 | ボリフト | — | バランス | インテンシブ | ニューラミス |
やや硬め | 頬骨・中顔面 | ボリューマ | ディファイン | インテンス | — | ディープ |
硬め | 顎先・鼻先・深部輪郭 | ボラックス(顎専用) | リフト | ボリューム | ボリューム | ボリューム |
同じ強度であっても、ブランドごとに架橋技術が異なります。ジュビダームはVYCROSS・HYLACROSS、レスチレンはOBT・NASHA、ベロテロはCPM技術を採用しています。そのため、同じ柔らかい質感であっても、広がり方や持続の仕方に微細な違いが生じます。お客様の肌質、過去の施術履歴、さらにはご予算までを総合的に考慮して、最適なブランドを選択いたします。
表を部位から読むと候補が絞れます。小じわ・唇・目元はどのブランドにも柔らかい段があり、なじみ方の好みで選べます。ほうれい線・頬の段はレスチレン、頬骨・中顔面の段はアティエールが空欄で、その部位が目的ならこの二つは候補から外れます。顎先・鼻先は五つとも硬い段を持ちますが、ジュビダームのボラックスは表でも顎向けとされているため、鼻先が目的ならそのままは当てはまりません。
このシリーズでは、上記のマトリックスを丁寧に解説する全6回の構成となっています。次回の記事からは、柔らかい質感(小じわ・唇)、中間の質感(ほうれい線・頬)、硬い質感(顎先・鼻・輪郭)、そしてボディ注入や選び方のガイドまで、順を追ってご説明いたします。最終的にはカウンセリングを通じて、最適な計画を一緒に決めていくのが最も安心です。

よくある質問
Q. 強度がより硬いフィラーほど、良い製品なのですか?
部位によって異なります。顎先や鼻のように形を立体的に整える部位には硬い注入剤が適していますが、唇や目元のように皮膚の浅い部位には柔らかい注入剤の方がきれいに馴染みます。「硬さ=質の高さ」ではなく、適材適所で何を使用するかが最も重要なポイントです。
Q. 一度の施術で、複数の異なるブランドのフィラーを受けることはできますか?
可能です。同日に異なる部位へ、それぞれ異なる強度のフィラーを注入するケースは非常に多くあります。たとえば、唇には柔らかい質感のもの、顎先には硬い質感のものを同時に注入するといった形です。どの部位にどの硬さが適しているかは、カウンセリングで丁寧に決定していきます。
Q. 同じ部位に同じ強度を使用する場合、ブランドによってどのような違いがありますか?
各ブランドで採用されている架橋技術が異なるため、広がりやすさや維持される期間に微細な差が生じます。自然になじむのが得意なブランドもあれば、シャープに形をキープする力が強いブランドもあります。シリーズの次回以降の記事で、それぞれの強度別に詳しく解説いたします。




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