ピルなどホルモンの変化でできたシミは、一般的なシミと再発の出方が違います。仕組みとレーザーの組み立て方、受ける前の確認点をまとめました。
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Wi Young-jin · Chief director
Seoul National University College of Medicine · Seoul National University Hospital Specialist
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ピルを飲み始めてしばらく経ってから、頬の高い位置に左右対称のシミが広がってきた。そんな変化に気づく方は少なくありません。
美白コスメを重ねても輪郭がぼやけるだけで、思ったほど薄くならない。ホルモンが関わるシミは、日々のスキンケアの外側にある要因が大きく動いているためです。
本記事では、ホルモンの影響でできるシミの仕組みと、ピルを服用しながら治療を組み立てるときの考え方について詳しく解説します。「薄くなってもまた戻ってくる」と感じている方は、ぜひ参考にしてください。
ホルモンの影響でできるシミとは
ここでは、一般的なシミとの違いを整理します。
頬骨の上や額、口の周りに左右対称に広がる褐色の色素斑は、肝斑*と呼ばれます。輪郭がぼんやりと薄れていく形が多く、境界のはっきりした点状のシミとは見え方が異なります。
ホルモンとの結びつきは、数字にも表れています。妊娠中の女性では10〜15パーセント、経口避妊薬を使用している女性では10〜25パーセントに肝斑がみられると治療で考慮すべき点をまとめた総説で報告されています。別の総説では、経口避妊薬やホルモン補充療法を使う女性の8〜34パーセントが発症するとされています(肝斑の成り立ちに関する報告)。
体質も関係します。同じ報告では、48パーセントに家族歴があり、そのうち97パーセントは親や兄弟など一度近親者だったとされています。同じようにピルを使っても出方に差が出るのは、こうした背景があるためだと考えられます。
*肝斑(かんぱん): 頬や額に左右対称に広がる、輪郭のぼやけた色素斑のことです。女性ホルモンの動きと紫外線が重なって濃くなりやすい特徴があります。
ピル服用中のシミが再発しやすい仕組み
以下では、色素をつくるスイッチが入り続ける流れを説明します。

エストロゲンには、メラニンをつくる酵素チロシナーゼ*のはたらきを強める作用があります。妊娠中やピル服用中と同じくらいの17β-エストラジオール濃度で培養したメラノサイトでは、メラニンの合成が増えたと肝斑の成因を解説した報告にまとめられています。
経路は一つではありません。エストロゲンはメラノサイト上のエストロゲン受容体βを介して色素産生を促し、皮膚の表面をつくる細胞ではWnt/β-カテニン経路にも関与するとされています。さらにエストラジオールは血管の数を増やし、エンドセリン-1*の発現を高めることで、チロシナーゼのはたらきを後押しします。
ここに紫外線が重なります。紫外線は肝斑の主要な誘因・悪化因子とされ、色の濃い肌では可視光でも色素沈着が起こると報告されています。つまり服用が続く間は、色素をつくる側のスイッチが入ったままで、そこに日々の光が足されていく状態です。
だからこそ、ホルモンが関わるシミは一般的なシミと再発の出方が違い、治療の組み立ても変わってきます。薄くすることだけを目標にせず、薄くした状態をどう保つかまでを一続きの計画として考える必要があります。
*チロシナーゼ: メラニンをつくる反応の入口を担う酵素です。はたらきが強まると、同じ刺激でも色素が増えやすくなります。
*エンドセリン-1: 血管の内側の細胞から出る物質で、色素細胞にはたらきかけることが知られています。

レーザー治療を組み立てるときの考え方
ここでは、出力と回数をどう考えるとよいのかを紹介します。
出力を上げて一度で薄くしようとすると、かえって濃くなる方向に転びやすい領域です。低出力の1064ナノメートルQスイッチNd:YAGレーザーをくり返す方法では、アジア人の肌で相応の結果が得られたと報告されています。判断の基準は「一度でどこまで薄くなるか」ではなく、「炎症を起こさずに積み重ねられるか」に置くほうが現実的でしょう。
外用の併用も柱の一つです。ハイドロキノン・レチノイン酸・ステロイドを組み合わせた外用は成績がよい一方で刺激が出やすいとされ、使う期間と量の設計が必要になります。トラネキサム酸は皮膚の表面をつくる細胞のTGF-β1を介して、メラニンの産生を部分的に抑えると考えられています。赤みが透けて見える場合には、パルスダイレーザーと外用を組み合わせて再発を抑えた報告もあります。
個人差はありますが、通常は次のような手がかりから方向を考えます。
見え方の手がかり | 考えられる状態 | 組み立ての方向 |
|---|---|---|
赤みが透けて見える | 血管の関与が大きい | 血管に向く治療を先に検討 |
境界がぼやけて広い | 色素が広く分布している | 低出力で回数を分ける |
夏に濃く冬に薄い | 光の影響が大きい | 遮光と外用を土台にする |
費用は治療の種類と回数によって変わります。目安は料金のご案内をご確認ください。ソウルのクリニックの価格で、変動する可能性があります。

リスク・副作用と受ける前に伝えたいこと
以下では、起こりやすいことと、事前に共有していただきたい項目を紹介します。
治療後に赤みや軽い腫れ、かさつきが生じる場合がありますが、数日から1週間程度で治まることがほとんどです。症状が長引く場合は、速やかに医師へご相談ください。
この領域でとくに気をつけたいのは、炎症後色素沈着です。出力を上げすぎたり間隔を詰めすぎたりすると、治療した部分が一時的に濃くなることがあります。ホルモンの影響が続いている間は、肌が刺激に反応しやすい前提で進めるほうが安全です。
服用中のピルの種類と、飲み始めた時期
妊娠や授乳の予定があるかどうか
過去のレーザーや光治療のあとに色が濃くなった経験
使用中の外用薬とサプリメント
直近の強い日焼けと、これからの外出の予定
なお、シミのためにピルの服用を自己判断で中断することはおやめください。処方している医師の判断が先にあり、その上で肌側の計画を合わせていきます。
そして、必ず日焼け止めを続けてください。広い波長域をカバーする日焼け止めを使うことで、妊娠中の肝斑の発症がおよそ半分に減ったという報告もあります。帽子や日傘も合わせて使いましょう。

まとめ
ピルやホルモンの変化が関わるシミは、エストロゲンが色素をつくる側を押し上げ、そこに紫外線が重なって濃くなります。引き金が続いている間は再発の出方も変わるため、薄くする計画と、保つ計画を一続きで考えることが大切です。
ただし、出力を急いだ治療には炎症後色素沈着のリスクも伴います。ご自身の肌状態を理解し、医師と相談して決めることが大切です。
ソウル・ハプチョンのBeautystoneクリニックでは、LINEでのご相談を承っています。「薄くなってもまた戻ってくる」と感じている方は、処方医への確認と合わせて、お気軽にご相談ください。
よくある質問
Q. ピルを飲みながらレーザー治療は受けられますか?
A. 受けられないわけではありません。ただしホルモンの影響が続いている間は色素が戻りやすいため、出力を抑えて回数を分ける組み立てをご案内することが多いです。服用中のお薬の種類と飲み始めた時期を、初回の診察でお伝えください。
Q. 治療は何回くらい必要ですか?
A. 決まった回数はありません。低出力でくり返す方法では、数回続けたところから変化を感じる方が多い一方、途中で間隔を広げたほうがよい場合もあります。肌の反応を見ながら医師が調整しますので、初回にすべての回数を決めきらないほうが安全です。
Q. ピルをやめればシミは薄くなりますか?
A. 服用をやめたあとに薄くなる方もいますが、そのまま残る場合もあります。色素はすでに表皮にたまっているため、引き金が減っても時間がかかると考えられます。いずれにしても服用の中止は自己判断ではなく、処方している医師とご相談ください。
Q. ダウンタイムはどのくらいですか?
A. 低出力で行う場合は、直後の軽い赤みが数時間から1日程度でおさまることが多いです。個人差はありますが、翌日からメイクができる範囲におさまる方が多いでしょう。かさつきが出た日は、こすらずに保湿を続けてください。
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