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唇のフィラー、1cc の値段だけで比べられない理由

唇のフィラー、1cc の値段だけで比べられない理由

唇のフィラー、1cc の値段だけで比べられない理由

同じ1cc でも見積が分かれるのは、製剤・量・麻酔・溶解の4つの欄です。唇に柔らかい製剤が向く理由と、1回ではなく1年の費用に置き換えて比べる方法をまとめました。

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Updated -

Beautystone Clinic, Wi Young-jin, Chief director

Author

Wi Young-jin · Chief director

Seoul National University College of Medicine · Seoul National University Hospital Specialist

唇のフィラーはいくらですか、というご質問は、カウンセリングで最も多くいただくもののひとつです。ただ、1cc あたりの金額だけでは、実際にお支払いになる総額は見えてきません。同じ「1cc」と書かれた見積書でも、どの製剤をどの部位に入れたかで、持ちも費用も一緒に動くからです。

ヒアルロン酸のフィラーは、おおよそ3〜9か月かけて吸収され、結果を保つには追加の施術が必要とされています。同じ施術名の中で持ちが3倍近く開くことになります。本記事では、その差を生む4つの欄——製剤・量・麻酔・溶解——について詳しく解説します。

 

「1cc いくら」だけでは見積書を比べられません

唇はひとつの部位ではありません。赤く見える唇の本体、赤と皮膚が分かれる唇の輪郭線*、口角を支える周囲の土台と、3つに分けて考えます。この3か所は動き方も、かかる圧も違うため、同じ製品を同じ量だけ入れても残る期間が変わってきます。

唇の輪郭線(バーミリオンボーダー)*:赤い唇と皮膚の色が分かれる境目のことです。ここがぼやけると、口元の輪郭がにじんで見えます。

「唇に1cc」という表記は、この3か所をひとつの名前でまとめた言い方です。カウンセリングでは、患者さまが唇とひと言でおっしゃっても、本体・輪郭線・周囲の支えの3層に分け直して計画を立てます。どの層を触るかで必要な製剤と量が変わり、見積書の数字もそこで分かれます。

ですから、見積書で最初に見ていただきたいのは金額そのものではありません。金額の横に4つの欄が埋まっているかどうかです。ここが空欄のままだと、条件のよい見積なのか、条件が抜けている見積なのかを見分けられません。

唇の3つの部位と輪郭線を示した図

 

 

1つ目の欄は製剤です。唇には柔らかめが向いています

ヒアルロン酸のフィラーは、どれも同じジェルというわけではありません。押される力にどれだけ耐えるか(弾性、G')と、ジェルがどれだけまとまっているか(凝集性)が製品ごとに違い、この2つの値がどの部位に向くかを決めています。ヒアルロン酸フィラーの物性をまとめた総説では、唇に用いる製品は弾性・凝集性ともに低〜中程度の柔らかい製剤として説明されています

弾性(G')*:ジェルが押される力にどれだけ耐えるかを表す値です。高いほど硬く、形を保ちやすくなります。

ただし、同じ唇でも目的が違えば選ぶ方向が変わります。感触を優先し、自然な質感で仕上げたい場合は柔らかい方が向いています。一方で、ぼやけた輪郭線を立て直したい、前方向のボリュームがほしいという場合は、凝集性をひとつ上げた製剤が候補になります。同じ総説では、凝集性を低から中や高へ上げると、前方への押し出しとボリューム感が増すと記載されています。この選択が製品のグレードを変え、そのグレードが見積書の1つ目の欄になります。

持ちを1年単位に置き換えてみると、違いがはっきりします。3か月ほどで吸収される組み合わせと、9か月近く保つ組み合わせでは、1年に必要な施術回数が変わります。1回の金額が安くても、年間の総額では逆転することがあるということです。効果の持ちには個人差がありますので、製品名とグレードを聞いたうえで、ご自身で割り算をしてみてください。

柔らかい製剤と凝集性の高い製剤の違いを示した図

 

 

2つ目・3つ目の欄は、量と麻酔です

量の欄は2つに分けて見ます。その日に実際に入った cc と、残った分をどうするかです。1本をその日に全部入れる設計と、半分だけ入れて残りを次回に回す設計では、同じ1cc でも計算が変わります。唇は腫れが引いてから形が見える部位ですので、一度に全部入れず、分けて進めることをおすすめする場合もあります。

麻酔の欄は、唇だからこそ生まれる項目です。唇は感覚が敏感なため、表面麻酔だけで進めるところもあれば、歯茎の側から神経を抑える麻酔を加えるところもあります。準備するものも時間も違いますので、この項目が金額に含まれているのか別途なのかは、見積書ごとに差が出ます。

深さもここに関わります。唇の輪郭線の下には血管が走っており、解剖の研究では輪郭線から上唇動脈までの平均の深さを3.3〜3.9mm と測定し、輪郭線では4mm より浅く入れることが重要だと報告されています。浅く入れるには針の長さと注入の速度を別に設定する必要があり、その分だけ施術時間も長くなります。この時間も費用の一部です。

輪郭線に浅く入れる注入の深さを示した図

 

 

リスク・副作用と、4つ目の欄である溶解

施術のあとは、腫れ・内出血・押したときの痛みが出る場合がありますが、数日から1週間程度で治まることがほとんどです。腫れがある間は触ると硬く感じることもあり、腫れが引くにつれてなじんでいきます。ただし、痛みが強くなる、皮膚の色が白っぽくなったり暗くなったりする、赤みが広がるといった場合は、様子を見ずに速やかに医師へご相談ください。

溶解は、唇でとくに話題になりやすい項目です。ヒアルロン酸は酵素の反応で分解でき、血管が詰まったときや慢性のアレルギー反応が起きたときには急いで必要になる場合があるとされています。つまり、形が気に入らないので消したいという場合と、安全のために急いで使う場合が、ひとつの項目の中に混ざっているわけです。

そこで、カウンセリングでは2つに分けて確認します。ひとつは、溶解の薬がその場に用意されているかどうか。もうひとつは、形を理由に溶かす場合の費用をどう見るかです。2週間ほど経って腫れが引いた状態でもう一度診る予定が金額に入っているかも、あわせてご確認ください。

見積の欄

持ち・安全に関わる点

確認する言葉

製剤

柔らかいほど感触はよく、持ちは短め

どの製剤のどのグレードですか

残量の扱いまでが同じ項目

何 cc 入れて、残りはどうしますか

麻酔

表面麻酔と神経麻酔で準備が違う

麻酔はどの方法で、含まれますか

溶解

血管のトラブル時にその場に必要

溶かす薬は用意されていますか

次のような場合は、施術の時期をずらして医師とご相談ください。

  • 口のまわりに水ぶくれやヘルペスの症状が出ている場合

  • 施術部位に活動性の炎症や感染がある場合

  • 妊娠中・授乳中、または妊娠を計画している場合

  • 以前のフィラーの施術で異常な反応が出たことがある場合

  • 最近、同じ部位に別の注射の施術を受けた場合

溶解と安全について確認する項目のリスト

 

 

見積書に製剤名と cc を並べて書いています

ソウル・ハプチョン(合井)のビューティーストーン医院では、見積書に金額だけを残さず、製剤の名前、その日に実際に入った cc、麻酔の方法、残った分をどうしたかを同じ行に書き添えています。

これが効いてくるのは2回目からです。唇は腫れが引いたあとにようやく形が見える部位ですので、次回どれだけ足すかは、前回のこの4つの上でしか計算できません。記録がなければ、次の回は見当をつけるところから始めることになります。ハプチョン駅から歩いて着く小さな院ですので、腫れの確認のような短いご来院も挟みやすくなっています。

製剤名と cc を並べて書いた見積書の例

 

 

まとめ

唇のフィラーの見積書は、1cc あたりの金額ではなく、製剤・量・麻酔・溶解の4つの欄で比べていただくと順番が整います。唇には低〜中程度の柔らかい製剤が向いており、凝集性を上げれば輪郭は立ちますが、その分だけ感触の柔らかさとは引き換えになります。持ちの月数で12か月を割り、1回ではなく1年で見比べてみてください。

ただし、注射の施術にはリスクも伴いますので、溶解の薬がその場にあるかどうかは、費用とは切り離した安全の確認としてお尋ねいただくのがよいと思います。ご自身の唇の状態と目的を理解したうえで、医師と相談して決めることが大切です。ソウル・ハプチョンのビューティーストーン医院では、LINE でのご相談を承っています。「1cc の値段だけでは決めきれない」という方は、お気軽にご相談ください。

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